尻の臭い親父

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総尻穴数:

羽倉盛り#2

夕方からは忙しくなる。
バイトも入れて11人で回すにはちょっと大きな店内に客も上々の入りだった。
そこへ7時の「お客様」が訪れた。
 
「本日はエル・シチリアーノへようこそおこしいただきました。」
「元気そうねえ羽倉くん。相変わらずカッコいいわ。前回会ったばかりだけどさあ。」
なんというか、この老紳士にはただならぬオーラを感じる。
「はい、その節はどうも。鈴木さん、こいつが新入りの布谷優です。優でいいですから好きに使ってやってください。」
「優くんね。あら、じゃあ今日はあなたがお相手してくれるんだ。」
「はい、よろしくお願いします。」
「ちゃんと勤まるかしらねえ。」
鈴木さんは一瞬俺を目で値踏みした後、振り返って背後の連れらしい3人へ上品に笑いかけた。いずれも年輩者だ。
 
ぞろぞろと個室へ向かう老人たちは、やはりどの人もどこかの重役さんだろうか。
にしても、鈴木さんには例えようのない芸術的華やかさがあった。
簡単には人を寄せ付けない何かがぱっと咲いてるような。
俺なんかには雲の上の人たちだな、と心中で溜息を漏らしながら、皆を室内へ導いた。
「この部屋もずいぶん古びてきたわねえ。今度の冬で店は20周年、羽倉くんも55になるんだっけ?」
「はい、おかげさまで。」
「そうよね。そのときには我々も特っ別のフルコースでお祝いしなきゃあいけないわねえ。」
「いえいえ。いつもありがとうございます。」
「ところで羽倉くん。そろそろ準備しなくていいの?」
「ええ、ただいま持たせます。しばらくの間ご歓談ください。優、行くぞ。」
「失礼します。」
鈴木さんの「楽しみにしてるわ。」の声を尻目に羽倉さんと厨房へ急いだが、なんだか彼の空気がどことなく緊張している。
いや、この客人たちが来店してから、羽倉さんはバカに腰が低い。
鈴木さんは羽倉さんの大先輩なのだろうか。
「優、これからちょっといろいろあるが。びっくりするなよ?」
羽倉さんは俺を安心させようとしてか、なんとか笑ってみせた。
 
厨房で俺は自分の目を疑った。
入るや、羽倉さんは手慣れたスピードで着ている物を全部脱ぎ始めたのだ。
俺たちコックの目の前で無言でどんどん裸になってく羽倉さんは、まるでこれから風呂でも入るかのよう。
紺の制服、カラーシャツ、ズボン、そして下はCKのホワイトブリーフだった。
「布谷!ちゃっちゃと運べ!」
腰のラインにぴったりと張り付いている下着一枚の羽倉さんにぼうっとしてたら、調理台から急かす外川さんの声が飛ぶ。
そこには今回の客人に用意したオードブル。
「あの、シェフは?」
「いいんだよ!うちの店はあれで半分成り立ってんだ。いいから動け。」
外川さんが小声で説明してくれても半信半疑のまま、一緒に料理を準備台まで運ぶ。
「健、いつもサンキュな。」
そこには木の板が敷かれ、既に羽倉さんが仰向けに寝そべっていた。一糸まとわぬ姿で。
「大丈夫です、シェフ。布谷、盛り付けるぞ。」
まさか羽倉さんに?と思う間にも、外川さんはてきぱきと作業に取りかかっていった。

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