ロマンスグレーの敗戦#7
- 2021/05/03
- カテゴリ:ロマンスグレーの敗戦
夜7時を過ぎた小さな駅員室内で、背の高いロマンスグレーの紳士が事務机の前に敷いたブルーシートの上にすっくと直立している。
上質な生地で作られた濃紺のスーツの胸元には、枯れ葉をあしらったおしゃれなネクタイが伸び、自然と目を引く。濃紺のズボンも、本人のすらりと伸びる長い足をちょうどよく包み、きゅっと引き締まった尻のラインが60という年齢を感じさせないエロスを放っている。
スーツの上から羽織っている艶のある黒のコートも上等だ。襟に光る銀色の頑丈なボタンが控えめに、だが明らかに、その品質の高さを証明している。
形のよい耳にかけられたメガネも細身で、深緑のフレームがネクタイとよくマッチしていてセンスがいい。その奥から、らんらんと燃えるような黒い二つの目がぱっと開かれ、紳士の体にみなぎる生気を如実に物語っている。
鼻筋のよく通った、上品な顔立ち。熱のある言葉が飛び出しそうな、形のよい口元。両の頬も、スーツから出ている両手も、ともに血色がいい。
そして、ロマンスグレーの髪はきれいに櫛で解かされ、薄くポマードで形を整えてある。決してカツラではない。若々しい熟年の色気をたっぷりと持ち合わせた、毛並みのよい紳士。
ぐぎゅるるぐぎゅるるぐぎゅるぎゅるぎゅるぐぎゅるるぐぎゅるるぐぎゅるるるるるうぅぅ。
何もかもが品のいい、その紳士の腹部から、紳士の出す音とは思えない強烈な腹下りの運動音が鳴り響く。回を追うごとに長く汚らしい、危険な音が続く。下痢を我慢している、ただの親父の体から出る下品な音だ。
気を付けをさせた全身は近くで見ると小刻みに震え、コンロにかけた湯沸かしのようだ。引き結ばれた唇が自らの腸の動きに必死に耐えている。
最も不自然なのは、濃紺のスーツズボンの足下にあるべき靴がなく、黒靴下一枚で立っているということだ。本人が履いていた柔らかい革で出来た黒の靴は、ブルーシートのへりにきちんとそろえて置かれてある。
「まずは靴下からだな。足を上げろよ、下痢便鶴田。」
俺のぞんざいな命令に「はい。」と丁寧に応じる紳士は、腹部をかばうように膝に手を当ててゆっくりと靴下だけの足先を持ち上げた。俺が屈んでその黒靴下をすっと抜き取ると、きちんと爪の切りそろえられたつるつるした足が出てきた。
促すと、もう一方の足先も同じようにして上に上げる。こちらの爪もきれいだ。鶴田は素足のままブルーシートの上に立つ格好となった。両足の裾からわずかだが柔らかなスネ毛が見えている。
「寒くないか?シート、冷たいだろ。」
俺の問いかけに「少し…。」と穏やかに笑ってみせる還暦の紳士。だが、足下からの冷たい空気は確実に腹まで冷やす。鶴田は一度大きく身震いをした。急に寒く感じた足下になんとか対応しようとしている。
「靴下は並だな。毛玉付いてるぞ。臭くはねえけど、上着がそんなに上質なら靴下にも気を遣うべきだぜ。これ、3足で1000円とかで売られてるやつだろ?」
鶴田賢三はばっと顔を赤らめた。当たりだ。一般的にはごく普通のビジネスソックスだが、鶴田のような上品な男が履いているとバカに不釣り合いだ。だが、そこがいい。500円もしない黒靴下をくしゃくしゃと丸め、事務机の上に置いた。
「じゃ、次はズボンな。カッコいいベルトしてるじゃん。俺に外させてくれよな。」
紳士は「はい。」と小さく答えて身を固くした。俺はバックルに手をかける前に、いきなり鶴田の股間の膨らみに鼻を埋めた。ほとんど匂わないが、亀頭の辺りがかすかに小便臭い。この親父もチンカスを溜め込んでいると見える。なめ取るのが楽しみだ。
鈍く光る銀色の大きなバックルに手をかけながら、後ろに回り、形のいい尻の真ん中に出来た割れ目に鼻を埋めた。こちらはほとんど無臭だ。いつもしっかりウォシュレットしているんだろう。
「鶴田、このまま屁してみろよ。溜まってるだろ?嗅いでやるから。」
鶴田は俺の要求にたじろぎ、「それはちょっと、できません。」と恥ずかしそうに言った。バックルにかけた俺の手にそっと手で触れて、彼なりのすまなさを伝えてくる。
やっぱりこれが鶴田だ。腸内の極悪なガスも嗅いでみたいが、それじゃあいきますよ、と景気よくぶっこかれたら鶴田ではない。俺はまたこの紳士に惚れてしまった。
俺の性嗜好を素直に理解していながら、自分から品を落とすようなことはしない。ますますこの親父の下痢便が見たくなった。
「相変わらずダッセえトランクス履いてやがるなあ。これも2枚で1000円ってとこか?ほんっとに下着には金かけないんだな、下痢便鶴田くんは。」
ブルーシートに立つ鶴田賢三は、もはや下はパンツ一枚だ。血色のいい、つるつるした太腿が全て見える。スネには柔らかな毛が生えている。青の縦縞のトランクスがいかにも親父臭い。
この状況と俺の言葉に赤面する鶴田の前で、脱がせたスーツズボンの股間部分の匂いを嗅いでみせる。
尻のほうはやっぱり無臭だったが、前のほうははっきり小便と分かる匂いが薄く付いている。
「少し小便臭いな。」
わざと口に出す。亀頭のところには周りよりも少しだけ強めのアンモニア臭が残っている。チンカスが溜まっているに違いない。
それを確かめるべく、事務机にズボンを畳んで置くと、直立する紳士の前に膝を付いた。何も言わずに、トランクス越しのチンポに触れ、鼻を寄せる。太さも形もちょうどよい。
膨らみのラインに沿って鼻を動かすと、幹も小便臭い。一日の仕事で蒸れた大人のチンポなのだから当たり前だ。大ぶりの亀頭までたどり着くと、期待どおりの強い小便臭が鼻に広がった。幹をつかみ、還暦の亀頭に鼻をくっつけて熟した匂いを堪能する。どうやら皮を被っているようだ。
「鶴田くん、前が小便臭いよ。今日はオシッコしたの?」
「はい。2回か3回はトイレに立ちました。」
「正直でよろしい。亀頭にチンカス溜まってるみたいだぜ。後でなめてやるからな。ところで、今日は大のほうはしたのかな?」
「朝、家を出る前に1度出しました。それからはしてません。今すごくしたいです…。」
ぐるるるぐぶぶぶぐぎゅるぎゅるぎゅるごぼごぼぐるるるるるぐるるるうぅぅ。口で言わなくても腹が答えてくれている。
俺はまた後ろに回り、尻の割れ目に鼻を埋めた。トランクス越しに、尻の匂いがする。汗と、肛門から発せられる雄のフェロモンだ。やっと嗅げたぜ…。
この前はいきなり下痢便の嵐を食らって、鶴田の普段のケツの匂いは全然分からなかったからな。臭くなく、それでいてむっとエロい汗が香る、紳士らしい上品なフレグランスだ。
「ケツ、男らしくていい匂いがするぜ。臭くないから安心しろよ。」
「恥ずかしいです…。」
「チンポ、触らせてくれよな。パンツの中に手入れるからな。」
鶴田は無言だったが抵抗する様子は全くなかった。両の太腿に開いた裾から指を忍ばせ、右手で玉袋を、左手でチンポをつかんで、すぐに亀頭の皮を剥いた。
「見栄え剥きしてやったぞ。やっぱりチンカス付いてるな。少し溜まってる程度だけど。」
すりすりと形のよい玉袋をさすり、亀頭にさらりとこびりついたチンカスを指で確かめながら、幹をしごいたり亀頭を揉む。性的反応がないのは下痢便を我慢しているせいだろう。俺の左手に熟年のチンカス臭が付いた。
「鶴田くん。俺、あんたのケツの匂い嗅ぎながらチンポの皮剥いたりできてすげえ幸せだよ。トランクス、脱がせてもいいか?」
60歳の紳士は腹痛をこらえながらも俺に優しく微笑んだ。
「はい、いいですよ。駅員さんの好きなようにしてください。でも、そろそろお尻のほうが限界で。ほんとに漏れそうです…。」