鉄の穴#7

誰だよくっせえなあ、と向かいのドア近くの大学生達が話のネタに笑い合っている。
それくらい、臭い匂いは充満していることになる。
爆心地の俺と鉄。
 
それにしても、お前は毎晩どんだけ飯食ってんだ?
どう考えても30cm以上はありそうな超大盛りの一本糞を見事に垂れやがった。
50代も後半の親父になって。妻子もいて。
こりゃ2kgは軽くあるな。ブリーフのゴムが重みでごっつい腰骨辺りまでずり下がっている。
 
糞汁まみれの右手でスラックスごとブリーフを引っ張って中をのぞき込むと、
それはもうウン筋とか大便を拭き残したシミとかいうレベルではなかった。
想像を上回るぶっとい糞がBVDのブリーフいっぱいに焦げ茶色のとぐろを巻いている。
黄色っぽい下痢便が白ブリーフの後ろの部分の広範囲に広がり、全体を汚い薄茶色に染め上げている。
直腸から排泄されたばかりの大便が発する動物的な湯気は、もうもうとメタンの激しい臭気をそこら中にまき散らしてしまった。
今さら慌ててもしかたないのだが。
 
脱糞しながら下品に鳴らしまくった直腸ガスの爆音は、ちょうど電車の外が騒がしかったため聴かれることはなかったかもしれない。
しかし、この匂いばかりはごまかしようがないぞ。
周囲の視線は皆、完璧に俺ら二人に気づいて知らぬふり。当然だろう。
 
親父の顔を見ると、瞑想中の僧侶かのように目を閉じ外界を遮断している。
耳はさらに赤身を帯びてはいるが、やはりこの責めを初めて受けた当初とは身構えが違う。
あの時は、もう赤面どころか全身を真っ赤にさせて、訪れた最悪の恥じらいを精一杯表現していたっけ。
それでも結局は、黒岩鉄雄という会社員が満員の電車内において強制的にとはいえ大量に排泄したことには変わりなく、
事実は、その場の者の鼻を強烈に襲う大便臭と、鉄雄の全身にぐっしょりと張り付いた脂汗が証明していた。
 
鉄さん今日も大量ですよ、と耳打ちで親父の羞恥心をいっそうあおってやる。
無反応で応じる鉄に、仕上げのフィスト責めだ。
リングの周囲で排便後の収縮を幾度も試みる肛門を7cmの大穴に拡張されたままで、鉄は直立しているのだ。
これだけ開いていれば、俺の手なら軽い。
ずぼりと右手を直腸へ差し入れた。