巡査の排便#1

「今月からこの地区の駐在になりました唐井です。どうぞよろしく。」
大型の紺の制服のボタンをはちきれんばかりにさせたラウンド髭のおまわりが事務所に挨拶に来た。
うほっ、ワシの好みの男じゃな。中背だが、ごついのう。おそらく50代半ばだろう。
制帽を手にきりっと乱れのない敬礼をする頭には白髪が目立ち、いかにも硬そうな男である。
手袋ごしでも分かる大きな手だ。白だからよけいに大きく見える、というわけではなさそうだ。
きっと柔道かなにかの有段者であろう。なかなかのゴツムチ親父じゃ。
いったいどんな糞をひり出すのか。食ってみたいのう・・・。
前のおまわりは挨拶にも来ないは、ただの若造だは、何よりワシの範囲外だはで。
唐井さんはきちんとした人のようだし、ゴツムチだし、顔もいいし、楽しみじゃ。
これは、しっかり仲良くせんと。
「ところで、ここの公衆トイレは男性用の個室が全て使えないと聞きました。故障してからもうずいぶん経つそうですね。」
・・・な、なんでそんなことを急に言い出すんじゃ?!
「あそこは地下の排水管が途中でずれちまってうまく流れんようになりましてな。おまけに工事の日程がなかなか立たんのですわ。
すんませんけど、大きいほうは向こうの仮設トイレでやってください。もう何度も電話してるんですがね。いやあ、近頃はどこもいい加減なもんです。」
「・・・ふうん・・・。」
顎のよく発達した、意志の強そうな顔がワシをじいっと見る。切れ長の目が、すーっと細められて、まるでナイフでも突き付けられているようだ。
このおまわり、まさか、何か調べに来てるのか?いや、気のせいじゃろう・・・。
怖い目で見つめられるとなんとも所在ないものだ。まさしく辣腕刑事といった雰囲気である。
もしかして懐かしい昭和映画の銀幕からちょっと抜け出してきたのかね?などと問いただせるなら少しは楽なのだが。
「そうですか。我々には巡回がありますから、こういう公園にトイレがあると非常に助かるんです。
それでは、大をしたくなったら仮設のほうを使わせてもらいますよ。ははははは。」
「ええ、頼みます。気にせんと遠慮なく使ってください。」
あんた用のどんぶりも準備しておきますよ、唐井さん。
早いとこ、そんなにズボンをぱんぱんにさせとるでっかい尻からどんな糞を出すのか、ワシに見せてくれ。
 
そして、その機会は予想よりずっと早く訪れた。
二日後の午前10時。いつものように平日の朝食、つまり黒田校長の山盛りの糞を食らって機嫌よく画面を眺めていると。
紺の制服にゴツムチの体を包み、目深に制帽をかぶった中背の男が園内に入ってきた。唐井さんだ!
ううむ、いい男じゃなあ。遠くからでも映画スター並みの精悍な顔立ちをしているのが分かるぞ。
りりしい男は大好きじゃ。きびきびと歩く姿だけで「本官は職務遂行中であります。」と宣言しているではないか。
巡査は最初、事務所に近づき、ドアの外からワシに声をかけているようだった。
残念、ワシはそっちの事務所にはおらん。さあ、早く糞しに来い。
すると、くるりと向きを変えた唐井巡査はすたすたと一直線にこちらへ歩いてきた。
大急ぎで隣の和式便所の真下にどんぶりを置く。「唐井巡査」と底にでかでかと油性で書いた、真新しいどんぶりだ。
がちゃっ。どたどた。どん。
「ふうう、間に合ったか。」
それはこっちのせりふじゃよ、唐井さん。あんまりすたすた歩いてくるから焦ったぞ。
しかし、狭い個室にでかい男が無理矢理押し入る様はやはり迫力が違うのう。拳銃を2丁持つ男ならばなおのこと。
さあ、まだ全く汚れてないそのどんぶりを、りりしい巡査殿の臭い糞でたっぷりと汚してくれよ。
ワシの命じた任務を遂行するように、後ろ向きで立つ唐井巡査がかちゃかちゃと帯革とベルトを外し、
トランクスごとずるりと膝まで下ろすと、「ふううっ!」と太い一声を上げて、どん、と勢いよく便器にまたがった。