新幹線で#2

両手でゴムをつかみ、慎重に汚物入れから取り出す。
ずっしりと重たい白ブリーフ。あの加齢臭が残ってるから、間違いなく親父さんが履いていたものだ。
広げたままの内側は確認するまでもなかった。
親父さん、漏らしすぎです。
尻の側全体に黄色い下痢カスと茶色い粘土のようなウンコがべったり。玉袋の辺りまで広がってる。
いい年こいて、こんなにたくさん漏らしちゃって。大根臭いウンコの団子がブリーフの布にいくつも乗っていた。ズボンまで汚れなかったのが奇跡的だ。
漏らした大便を処理しないで、そのままゴミ箱に捨てたようだ。
おまけに、切れが悪いと言っていた前も見事に小便シミで真っ黄色だ。恥ずかしすぎる。
なんにしても、下痢臭すぎる。
しかも、汚物入れには、尻を拭いたと見られる大量の紙の山があった。全部取り出す。
うえっ、紙にも茶色の団子がいくつもくっついてる。まだ温かい。親父さんのケツから出たばかりのウンコだ。
トイレの前で一人、限界を迎えてぶりぶりと、でかい尻を震わせながら最後の一塊まで排便してしまったんだな。
よっぽど気が動転していたのか、便器を詰まらせたくないと思ったのか。
おそらく、先に紙でケツを拭いてから、捨てた紙の上に用済みのブリーフを置いたんだろう。汚物入れの中も奇跡的に全く汚れていなかった。
けど、親父さんには用済みでも俺にとっては用大あり。
とりあえず、広げたLLサイズのブリーフの中に顔を入れ、60過ぎの大人が無様に漏らした下痢便を直接嗅いだ。
ぐおっ、くせえっ!椅子の匂いなんかご挨拶くらいの、強烈に生臭いウンコ臭だ。鼻にこつんと当たる粘土はぬるぬるしてて生温かい。
うわあ、デブ親父のウンコ、マジくっせえよお。声を殺してふがふがと下痢くせえ後ろを嗅ぎ回しながらマラをしごく。
前も嗅ぐと、つーんと小便臭い。濃いアンモニア臭だ。結構広範囲にちびってやがる。白髪の陰毛も何本かくっついてるし。
また後ろに鼻を当てる。このお漏らし親父め、前も後ろもくっせえぞ!60過ぎて恥ずかしいぞ!
試しに黄色みがかった下痢カスをぺろり。口の中に期待以上の臭い苦みがくわあっと広がった。俺、大の男の排泄物を味わってるんだ。
次は紙だ。どれも団子になったウンコがごってり。ケツ毛もたくさんくっついてる。ケツの毛まで白髪だ。
初対面の親父さんの恥ずかしいウンコをもっと味わってみたい。
本能のままに、ほかほかの温かい肉団子の乗った紙の一つに口を寄せ、つんと匂う茶色の塊を丸ごとほおばった。
くせっ!にげえ!マジで苦い!大人の下痢糞だもんな、半端なく苦い。
ぐちゃぐちゃぐちゃ。かむと口の中で腐った肉味噌がぬめぬめと広がり、大根臭いガスが脳天を貫いた。
おえっ、くせっ!おええっ、くせえっ!
えずきそうになるのもかまわず、ぐちゃぐちゃと糞団子をかみながら、白ブリーフにできた広大な茶色い面で鼻を覆い、60男のどてっ腹で熟成されたどぎつい大便臭をふがふがと嗅ぎまくる。
大人のお漏らしブリーフを使った変態丸出しのセンズリだ。そうとも知らずに、今頃は親父さん、どっしりと落ち着いて新聞でも読んでるのかな。
親父さん!親父さんのお漏らしウンコ!!くっっっっっせえええええええ!!!
心の中で叫び、座席に戻ってきたときの明るい笑顔を思い出しながら、便器に向かって人生で最大級の射精をした。
かみしめた苦い肉味噌の中から大根らしき野菜の食べカスが出てきた。道理で大根くせえわけだ・・・。
 
「お帰り。遅かったね。君も大きいほうだったの?」
「ええ、まあ・・・。」
と曖昧に答えて、俺は前の背もたれのフックに黒いビニール袋をぶら下げた。
親父さんはやっぱり新聞を読んでいて、こちらを見ていない。しばらく無言の時が流れた。
俺も再び親父さんの太った体を観察。ゆっくりと観察しながら、鼻に塗り込んだ下痢カスの匂いを深呼吸。
このデブ親父があんなにぶりぶりと。くっせえ糞団子をいくつもごってりと。
好みの親父さんの隣であの汚いブリーフを思い出し、本人がこっ恥ずかしくなるくらいの臭いウンコの匂いを密かに楽しむ。
そのうち、新聞を畳んだ親父さんがにこにことまた話しかけてきた。もちろん、俺もにこにこと応じる。
病院にいる叔父の話とか、山登りが好きだという親父さんの話とか。
他愛のない会話の中で、二人とも次の駅で降りることも分かった。っつうか、連絡先とか交換したいくらいだ。
「ねえ、さっきからこの辺、なんか臭くないか?」
ふいに親父さんがくんくんとかわいく鼻を鳴らして俺に尋ねてきた。
「そうですか?よく分かんないですけど・・・。」
そりゃ、鼻の中に60過ぎの下痢カスがこってり入ってるから、吸う空気がみんな臭すぎて、どの辺が臭いかなんて分かりっこない。正直に答えたまでだ。
「これは何?この袋が臭い気がする。これ、最初からあった?」
突然、親父さんのでかい手が伸びてきて、俺の前にぶら下げてある黒いビニール袋をわしゃわしゃと持ち上げた。
「ずっとそこに下げてましたよ。ただの布切れと紙ですから、匂いはしないと思いますけど。」
「そうか・・・。」
うそはついたが、中身にうそはない。俺の言葉にあっさりと親父さんが袋から手を離した。
「俺のケツがまだ臭いのかな。どっこいしょ。」
いきなり立ち上がると、座席に向かって太った体を縮こませ、くんくんと自分の座面を嗅ぎはじめた!
「くさっ!犯人は俺だ!」
どしんと座り直す親父さんの顔は完全に照れ笑い。恥ずかしそうだ。
前をまたいだときにこっそり触らせてもらったズボンの割れ目だって、じっとり蒸れてたもんな。親父さん、ちゃんとズボンの汚れは確かめたんだろうか。
「トイレで全部きれいにするのは難しいな。たっぷり漏らしちゃったからなあ。」
「俺には全然分かりませんよ。臭くないと思います。」
いや、たぶんまだ結構臭そう・・・。
「そう?君が言うなら俺の気にしすぎだな。今晩帰ったらちゃんと風呂でケツ洗うよ。」
お手伝いしたいです・・・。っつうか、ケツの穴なめさせてください。
親父さんの下痢臭を吸い込みながら、そう頼み込みたいのをぐっと我慢した。
 
到着駅のアナウンスが終わると、親父さんは小便してくると言って棚からバッグを下ろし、先に行ってしまった。
俺はまた、空いたばかりの座席にしゃがみ込み、温かい座面をくんかくんか。
確かに、鼻に下痢カスが入っていても分かる。まだケツに拭き残しがあるのかも。
親父さんが自分で言ったとおり、くーんと匂うくっせえ椅子だ。後で座る人に移りそうだな。
デッキへ向かうと、ちょうど親父さんが男子トイレから出てきた。どこか戸惑った表情。
「俺の捨てたパンツと紙がきれいになくなってた。ほかのゴミは入ってるのに。・・・うわっ!」
黒いビニール袋を開け、脱いだままの形に広げた白と黄色と茶色の三色ブリーフを見せつける。
袋の中に充満していた下痢便臭が一気に立ち上り、親父さんのでか鼻を直撃した。
「くせっ・・・!!」
「お父さんの人生初めての大失敗。ものすごい量と匂いですね。」
冷静を繕おうとした60代の大人の顔が、耳からみるみる赤くなっていき、ついには張りのある頬までかあっと紅潮してしまった。そのまま、親父さんはゆっくりとうなずいた。
「やっぱり・・・その袋が臭いと思ってたよ。そんな汚い物を拾ってどうするんだ?」
そっぽを向いたまま押し殺したような低い声で尋ねる親父さんの真っ赤な耳に口を寄せ、思い切りドエロい言葉を吐いた。
「お父さんのゆるいケツがこしらえたくっせえウンコパンツをふがふが嗅ぎながらセンズリするんですよ。
大根が入ったお父さんの苦いウンコ団子をぐちゃぐちゃ食いながら種汁ぶっ放すんですよ。」
そして、口を開けると、ずっとなめていたせいでキャラメルのように平たくなった男の糞を舌に乗せ、本人に見せつけた。
茶色いウンカスの中に大根のかけらがしっかりと見える、大人の消化物。それを呆然と見つめる親父さんは、自分が最近何を食べたのか思い出したようだった。
「・・・君はとてつもない変態だな・・・。」
今度は俺がゆっくりとうなずいた。
 
騒がしいホームを二人並んで歩く。
親父さんの顔からはやっと赤みが引いていた。だんまりと何か考え込んでいる様子。
あーあ、この人ともそろそろお別れか・・・。帰ったら、こきまくろう。とりあえず、駅のトイレで下痢糞パンツかぶってもう一発抜きたい。
「ねえ、ちょっとだけ時間ある?よかったらお茶飲んでいかないか?」
えっ・・・?うそだろ?
俺、もうこれで最後だと思ってあんなえぐいことしたのに、動じてないってこと?
「・・・いいんですか?」
「いいもなんも、せっかくできた"臭い縁"だからさあ。もっといろいろ話したいな。」
「はい。ぜひご一緒させてください。」
俺の声は感嘆符が付くくらい弾んでいたかもしれない。
親父さんは俺の手にある黒いビニール袋をちらりと見てから、ようやくにこっと柔和な笑顔に戻ってくれた。
二人で上りのエスカレーターに乗る。もちろん、親父さんが前だ。
隣のレーンに誰もいないのを確認して、俺は目の前のでっぷりとしたでか尻を包むズボンに顔をくっつけ、一瞬だけ割れ目に鼻を押し当てた。
ぐわ、すげえくせえなあ。親父さんのケツからはまだまだ大根臭い下痢汁の強烈な臭みがぷーんと上がっていた。
 
(完)