引っ越し屋の親父#1

やってきた二人組の作業員のうち、責任者らしき年上の男が俺のタイプだった。
40代後半の、がっちりした体格。長年肉体労働系の仕事をしているのか、半袖の作業服からのぞく腕はかなり太い。
腹には年相応の脂肪が乗った、うまそうな筋肉親父だ。
若いのと二人でどんどん荷物を運び出す。
最後に親父だけが1Kの部屋に入ってきて、残っていた数個の段ボールを積み上げると一気に持ち上げた。
大きな手を伸ばしてかがんだ親父。
紺の作業ズボンをぱんぱんにしたでっかい尻がどんと突き出され、割れ目どころかブリーフラインまでくっきりと浮かび上がる。
俺は迷わずその後ろにしゃがみ込み、親父の尻の割れ目に鼻を当て、匂いを嗅いだ。
・・・くせっ!
夏場のせいか、割れ目は熱いくらい温度が高かった。ズボンの中の湿度も結構高そうだ。
蒸れた割れ目の奥から、期待を完全に上回る下痢臭い尻の匂いが鼻を直撃した。
あまりの臭さに鼻がもげそうになる。この親父、尻の拭き方を知らないのか?
荷物を乗せたトラックを見送る俺の鼻には、まだ筋肉親父の下痢臭が残っていた。
あとでまた嗅いでやろう・・・。
 
新しい部屋で待っていると、まず親父が入ってきた。さっきの段ボールを一気に運び、下に下ろすためにかがんだ。
早速チャンス!俺はまたしてもでかい尻の割れ目に鼻を埋めた。
ぐうっ、くっせえ!
トラックを運転してきたせいで、ズボンが汗でぴったりと尻に張り付いてる。当然蒸れ蒸れだ。さっきよりも下痢の匂いがきつい。
このまま尻を押さえて嗅ぎまくりたいのをなんとか我慢する俺。
ぐるぐるぐるぐるううう。
突然、荷物を置いて立ち上がった親父の腹が鳴った。かなりの音で、後ろにいた俺がびっくりした。
あっという間に二人で荷物を運び終える。親父のどてっ腹は部屋に入る度にぐるぐると不気味な音を立てた。
若いのがトラックに戻り、親父が段ボールの上で伝票を書き始める。
俺はまた親父の後ろにしゃがみ、割れ目に鼻をくっつけてくんかくんか。
親父が書き終わる20秒くらいの間、臭すぎる尻の湿った匂いをたっぷりと楽しんだ。ほんとにくせえケツだなあ。
ぐるぐるぐるぐるううう。また親父の腹が鳴る。
「部屋に傷が付いていないか確認してください。」
そういう親父の野太い声は息が上がっている。そして、なんだかせっぱ詰まっているような。
「あのう・・・傷は大丈夫なんですが、このクローゼットをもう少し左に置いてもらえませんか?」
「分かりました。」
親父がクローゼットに抱きつき、全身に力を込めた。
「よいしょっ!」
ぶへえええええええ!
作業ズボンの中で長い長い屁をこきながら、クローゼットが持ち上がった。
ぱんぱんに膨らむむきむきの両腕。そして、むわあっと立ち込める卵臭い屁。
親父は「すみません!」と謝り顔を紅潮させながらも、俺がいいと言うところまでクローゼットを動かした。
ぶびいいいいいいい!下ろす直前でまた尻が鳴った。さらに強烈な屁の匂いが広がる。
どうやら急激に糞が下りてきているようだ。
「トイレ、使いますか?」
また謝ってきた親父に、俺はなんとなく期待を込めて尋ねてみた。
「・・・申し訳ない。」
少し考えてから親父が頭を下げた。
うまくいった!やっぱり糞がしたいんだな。
が、便所に向かって親父がくるりと向きを変えたとき。
 
どすっ、がっしゃあああん!
紺のでか尻が積まれた段ボールにぶつかり、一番上の箱がなだれ落ちた。明らかに、割れ物が割れる音だった。
「ああっ!すみません!」
俺と親父が同時に箱に駆け寄る。
親父が逆さまにひっくり返った箱を持ち上げて戻し、俺がガムテープを剥がす。
ふたを開けると、きれいに真っ二つに割れた大皿が飛び込んできた。親父の顔がさあっと青ざめていく。
「申し訳ございません!ほんとうに申し訳ございません!」
床に手を付き、ひたすら平謝りの筋肉親父。
「高かったし、気に入ってたんだけど。」
全然そんなことはなかった。
確かにブランド物だが、この前出席した結婚式の引き出物だし、一人暮らしの俺には正直邪魔なくらいの大きさだった。
でも、この親父にペナルティーを与えたい。
臭い尻で段ボールを崩しやがって。尻の臭い親父は懲らしめてやらなければ。
俺はもらった伝票の「担当者」を確かめると、立ち上がって部屋のドアをぴたりと閉めた。
「謝ってもらうだけじゃ駄目だな。とりあえず、中腰になってケツ突き出してくださいよ、倉森さん。」