ロマンスグレーの敗戦#3

臭すぎる尻から顔を離し改めて下を見ると、そこはものすごい現場となっていた。
濃紺だったズボンは尻を中心に左右の腿からふくらはぎのほうまで見事な茶色に染まっている。
玉袋の収まっている股下の布地は異様に膨らみ、肩幅に開いた長い両足の内側に下痢の通り道がくっきりとできている。
下痢筋に沿って視線を滑らせると、手入れの行き届いた立派な黒の革靴が黒靴下もろともどっぷりと下痢漬けに。
未だにズボンの裾からぴちぴちと汚物が滴り落ちている。
そして、二つの革靴の周囲はもちろん、股の真下の床一面が下痢汁と柔らかい下痢糞で覆い尽くされ、黄土色の大地が形成されていた。
やれやれ、さっきブルーシートを敷いておいたのが功を奏したな。
にしても、すげえ量だな。
床に散らばる鈍い茶色の下痢カスから発散される耐え難い激臭を嗅ぎながらこの親父の食生活に一瞬だけ思いを馳せる。
さて、ご本人はいかがかな?
立ち上がって鶴田君の精悍な顔をのぞきにいくと、あろうことか紳士は泣いていた。
「あああ・・・漏らしちゃったよお・・・うわあああ・・・!」
「おいウンコじじい!なんてことしてくれんだよ!ここは便所じゃねえんだぞ!」
かわいい奴だ。つい口調が荒くなっちまう。
「ごめんなさい・・・許して・・・ごめんなさい・・・あああ・・・!」
これがほんとに"気が動転してる"ってやつか。60の親父がぐすぐす泣きべそをかきながら首を激しく振っている。
初めて対面したときの逞しくてすらりとした印象はどこへやら。
ぶかぶかの下痢ズボンのまま顔を涙でぐしゃぐしゃに濡らした紳士の姿はまるで別人のように幼く見えた。
あまりの錯乱ぶりだ。おそらく、俺に腹筋をこね回されて無様に下痢噴射したこともはっきりとは覚えていないだろう。
こんこんこん。突然窓をたたく音。見ると子連れの女性客だ。
「そこにいろよウンコタレ!」
俺の嗜虐心が燃え上がる。ぐすぐすと泣きじゃくる親父を見捨てて窓を開け、対応する。
女性は、いきなり香ってきた生臭い匂いにうっと顔をしかめ、俺が汚れてないのを知ると室内へ目をやった。
「くっさ・・・ママ!あのおじいちゃん・・・!」
やはり子供は勘が鋭い。ダイレクトに言い当ててしまい、女性にきつく止められた。
それでも、臭い臭いと黙らない。代わりに母親が完全に黙殺した。
「こら!お客様がおめえのことくっせえって迷惑したじゃねえか!どうすんだよ、ここは俺の職場なんだぞ!」
「うああああ・・・!」
感情が高ぶった親父はついに、おんおんと声を上げて泣き崩れた。
俺の手にしがみつき、でたらめに裏返った声を絞り出して何度も何度も謝る。ごめんなさい、許して、と。
これほど恥ずかしくて苦い経験したことなんて、一度もなかったんだよな。こんな年若い男にじじいなんて言われてなあ。
自信に満ちた紳士の60年の人生をずたぼろにたたき割ってやった瞬間。なんとも言えない、甘くて濃厚な蜜の味だ。
「へへへ・・・ったくウンコくせえじじいだなあ、鶴田さんよお。」
震える顎に指をかけ、面と向かって吐き捨てる。親父の泣き顔がいとおしくて仕方ない、俺様なりのなだめ方だ。
今度は頭をよしよしとなでる。品のいいロマンスグレーが湿った整髪料と脂汗ですっかり崩れ、雨に濡れた小犬みたいだ。
「替えのパンツとズボンがあるから履いてけよ。そんな格好で会社行きたくないだろ?」
ようやく号泣の収まった紳士が俺からの思いがけない提案にすがるような目を向ける。いいのか?と無言で訴えかけているのだ。
「じじいは黙ってつっ立ってればいい。きれいに取り替えてやるから。脱がすぞ。」
返事も待たずに重厚なバックルの付いたベルトに手をかけ、がちゃがちゃと外すと、ジッパーを下げる。
「じっとしてろよ。」
いよいよ本日の成果物を確かめるときだ。自然と声がうわずる。
さあ、ご開帳だぜ。とくと見せてくれよ、あんたの恥ずかしい下半身。
 
ずるずると濃紺のズボンを膝まで下ろす。
その下には、予想通り青のトランクスが股間から尻にかけて真っ茶色の状態でべっとりと腰に張り付いていた。
上質そうなズボンの裏地も下痢汁でべっとり。股側にはあふれ出した粘土状のウンコが怪しく光っている。
「うわ、きったねえ。」
俺は紳士の前にしゃがみ込み、トランクスに顔を寄せた。結構大きな膨らみだ。
そこに鼻をくっつけると、今朝したのか小便のかすかな匂い。そして、ほんのりイカ臭い、仮性包茎特有の芳醇な匂いがした。
玉のあたりからもうもうと上がる大便の悪臭を吸い込みながら、初老のチンポの雄臭を楽しむ。
長くて太い竿だ。立派なものぶら下げたいい男が下痢漏らしとはな。
くんくん嗅ぎ回すと、息子の先っちょまで下痢の海に浸かったのか、アンモニアに強いメタンがブレンドされて、なかなかそそる匂いになっている。
俺はトランクスを横にずらし、親父の黒光りするチンポを取り出して観察した。やはり先っちょは皮がかぶり、下痢で黄土色に光っている。
「チンポにも下痢が付いてるぞ。」
そう言った俺の口は何の迷いもなく60歳の包茎チンポをぱっくりとくわえた。