悪役無惨#5

腰を深く落とすと、つま先立ちになり、両の膝を大きく開いた。
赤い鱗に縁取られた二つの恐ろしい目で正面の小学生をぎろりと見据えるドラグール大王。
ほとんどウンコ座りに近いこの姿勢で、ドラグール、いや、熊田さんの背面も、一つの恥ずかしい目で私と剛君をくぱあっと見据えていた。
「うわ、きたね・・・。」
大王の巨大な尻の真後ろにいる剛君が、私が抱いた感想と全く同じ一言をぽつりと言った。
そう、その一つ目とは、ずばり、尻の穴だ。
直立の姿勢の場合、褌の縦回しは尻の割れ目に深く食い込む。これは普通のことだ。
では、しゃがんだ場合はどうか。このときも食い込んださらしによって割れ目の奥は見えない。
通常、褌を締め込むときには縦回しを二度通す。つまり、尻の穴が露出するなどまずあり得ないことだ。
それが今。
ドラグール大王が蹲居になったとたん、後ろにいる私たちに向かって尻の穴と蟻の門渡りがこんにちはとばかりに完全に顔を出したのだ。
腰を落とす動作によって、さらしの両耳から尾骨辺りの縦回しを結ぶ太い糸に強い張力が働き、二重のはずの回しが左右に分かれる仕掛けになっているためだ。
しかも、同じ糸は玉袋の裏でねじったところにも結んである。おかげで、穴の上側から玉の付け根までが惜しげもなくがばっと丸開きになってくれる。
彼の体格上、割れ目が深くて広いおかげで、さらしが谷間の両側いっぱいに引っ張られてしまう。
意外と赤黒い肛門が縦に長くくぼんでいるのが丸見えだ。蟻の門渡りも広く、肉厚なボリュームで豊かに膨らんでいる。
対戦相手に集中している熊田さんは、自分のケツ穴が丸出しになっていることなど予想だにしないだろう。気づいた様子もない。
後輩スタッフは東側の子供たちを見なければならないので、こちらに来ることはない。子供たちだって正面しか見えないのだから気づきようがない。
大きな尻の後ろにいる私と剛君だけが、ドラグール大王の汚いケツの穴を心ゆくまで観察できるということになる。
おそらく家族も同僚も、何より自分自身でさえ見たことがないプライベートなところ。
誰も、この熊親父のケツの穴が赤黒いだなんて知らない。そのしわに茶色のウンコをぺっとり付けていることだって知らない。
当然、無手入れの濃いケツ毛にも茶色のウンコがぺっとり付いている。白い紙までたっぷりおまけされている。
午前は出勤してきたと言っていたから、これらは今朝の大をしたときの拭き残しかな?ちょっと、いや、だいぶおそまつだなあ。
最もプライベートなところだからこそ、本人の性格がよく出るものだ。体は大きくて気も優しいが、自分の身なりには無頓着なんだろう。
ケツがあまり拭けてなくても気にならない、ちょっぴりずぼらなおじさんなんだ。そのことを私たちに無言で語る55歳の尻の穴。
剛君はその恥ずかしすぎる大人の肛門を夢中で観察していた。
「大王!もう少しお尻を上げて!」
私が命じると、ドラグールの毛深い一つ目がこちらに向かってくぱあっとにらみを効かせる。
ぷっくりと突き出た赤黒いひだが縦に割れて、隠れた肉壁までが開帳した。そこにもウンコがはさまっている。きたねえなあ。
ぽかっと口を半開きにしている雄の穴。少しこづけば指が入りそうだ。
剛君は熊田さんのでか尻に開いた臭そうな穴の奥の粘膜を見ようと目を凝らしている。匂いを嗅いで、なめてみたいのかな?
「はっけよい!のこった、のこった!」
勝負はあっけなく着いた。当たり前だ。ぐはははははと勝ち誇る大王。
立ち上がった後ろ姿には、何事もなかったように回しが割れ目にきちんと食い込んでいる。仕掛けは成功のようだ。
2戦目は4年生。熊田さんのばんと張り出した尻が四股踏みに合わせてこれでもかと揺れる。ひ弱なアイドルのダンスなんかより断然セクシーだ。
「大王!もっとお尻を上げて!」
私に指導されて、ドラグール力士ははっと思い出したように蹲居のまま肌色の尻をこちらへ突き出した。
糸に操られた赤のさらしが左右の尻たぶを力強く割り開き、割れ目全開。
ぶっくら膨らんだ蟻の門渡りの上の赤黒い肛門は、しわの数も数えられるほどくっきり見える。
ひだの奥もくぱあっと開いて、柔らかそうなウンコで湿った肉壁がまるっきり外気にさらされている。
「しわ、全部で36本だ。」
剛君が私に言うわけでもなくつぶやいた。そうか、悪のドラグール大王のケツ穴のしわは全部で36本か。
 
それからは取り組みが繰り返される度にドラグール大王こと熊田さんが汚いケツの穴をくぱくぱと露出させ、私と剛君の目を幾度も喜ばせた。
もう私に言われなくても蹲居でどんと尻を突き出すことを覚えたようだ。おかげで私もしわの本数を数えられた。剛君の言うとおりだった。
ただでさえ毛むくじゃらのでかい尻たぶがまるっきり露出していてエロさ満点だというのに、
ケツ穴から蟻の門渡りまでも剥き出しにして対戦相手とにらみ合っているのだから男らしさも潔さも満点以上だ。
「超ウンコ付いてる。」
「紙もくっついてるし。」
「ケツの毛、濃すぎ。」
「ケツの穴、マジ臭そう。」
下級生がばたばたと転がされる間、剛君はぼそぼそと独り言を連発する。
私も同感だよ。この熊親父のケツ穴、ほんとに毛深くて汚いね。臭そうだよね。
剛君は今、大人の男の割れ目を開いて尻穴に指を根本まで突っ込んだ日のことを思い出しているんだろうか。
穴の中の粘膜の柔らかい感触、詰まっていた堅くて大きなウンコの感触を。そして、穴から抜いた指をしゃぶって分かった、大人の茶色いウンカスの味を。
彼は目の前の尻ばかり見ている。その目には私から見ても分かるほどぎらぎらと、興奮の熱が宿っていた。
土俵では、やんちゃな1年生が力いっぱい巨体にしがみついたまますてんと転がされているところだった。
現時点で下級生は全滅だ。対するドラグール大王は息一つ乱していない。
圧倒的な強さで立ちはだかる悪の大王。子供が好きな熊田さんだからこそ、手加減は少年を心底幻滅させることを知っているんだ。
「ぐははははは!ワシはまだこの場所から一歩も足を動かしておらんぞ!さあ、かかってこい!ワシの足を動かさせてみろ!ぐははははははは!」
と、やにわに剛君が立ち上がった。
「俺も対戦してくる。先生、見てて。」
にやっと白い歯を見せてから、すたすたと東側へ歩いていく。
見ててって、剛君は何か秘策でもあるのか?私の心は期待と不安で入り乱れた。